現代人の睡眠には、長時間による労働や不眠症など様々な問題が起こっています。
日本は世界の中でも睡眠時間が短い国であるとも言われています。
そんな中、この睡眠問題に真っ向から立ち向かう男がいました。
睡眠の研究を行い自身のクリニックで眠りに悩む様々な患者の治療を行っている睡眠ドクターです。
彼は独自に開発した機械を使って睡眠問題と戦っています。
時代は不眠症時代と言っていいくらい睡眠不足となっています。
大人だけでなく、子供も遊びや勉強などで遅くまで起きており、朝食を食べずに学校へ行くなどの生活になっています。
科学的に睡眠とは何か、睡眠を上手にコントロールするにはどうしたらよいのかをお聞きしたいと思います。
東京慈恵会医科大学を卒業後、スタンフォード大学、チューリッヒ大学、カリフォルニア大学にも留学。
治数多くの講演会を行い、著書も多数出版するなど睡眠研究を続ける睡眠ドクターです。
祖父の青木義作さんが青山脳病院で不眠症の治療をはじめ、その後、父の遠藤四郎さんが日本で初めて時差ぼけの研究を始めました。
そして、現在は遠藤さんがそれを引き継ぎ、親子3代80年にわたり睡眠の研究を行っています。
菅原:親子三代、睡眠の研究と言うのは珍しいと思います。ご自身としては睡眠に興味があったのでしょうか。
遠藤:全くありませんでした。新しい医学が沢山出てきていたのでそちらをやりたかったのですが、卒業間近で父が急死しまして引き継いでくれないかという事で引き継ぐことになりました。
菅原:海外への留学経験が多くありますが、日本と海外の研究の時差と言うものはありましたか。
遠藤:アメリカは睡眠の研究が進んでいました。睡眠外来があり治療も確立していましたので、かなり進んでいます。
菅原:一般的にはどの睡眠薬を処方するかどうか。という事ですが、遠藤先生の治療はそれとは異なりますよね。
遠藤:眠れないという事に対してもいろいろな病気の原因があり、その原因を見極める必要がある。今では、睡眠薬ではない治療をしないと治らない不眠症が沢山出てきています。時代が一気に変わってきました。
モニターの女性の方は、保育士の仕事により不規則な生活となり生活リズムが崩れてしまった。
診断の前に睡眠に関する36項目のアンケートを行う。
アンケート結果を基に診察を行う。
眠れない原因は、いびきがあるので、睡眠時無呼吸症候群の可能性がある。
昼夜逆転しているため、睡眠相遅延症候群という遅寝遅起き病の可能性がある。
遠藤先生は様々な機械を使って、彼女の眠れない原因を探っていきます。
遠藤先生の診察には欠かせない行動計です。
アメリカ留学で学んだ経験を生かし、7年前に開発しました。
最先端技術が集約されています。
睡眠時にバーが出ていないと快眠できている事が分かります。
良い睡眠がとれているかとれていないかを測る事ができます。
遅寝遅起き病を治す治療法として
①夜9時以降は間接照明にする
②夜11時以降はテレビやパソコンなど明るい電子機器を使用しない
③朝起きたら朝日を浴びる
どれも光に関係する事でした。
光と睡眠の関係はとはなんでしょうか。
夜、明るい光を浴びてしまうとメラトニンが出なくなって、寝つきが悪くなります。
初診からわずか一週間で彼女の悩みを解決し、すっきり眠れる状態を作りました。
9時からメラトニンが出てくるのですが、強い光を浴びるとメラトニンが出てこなくなってしまいます。
また、夜11時以降に興奮する状態になるとドーパミンが出て眠れなくなります。
そして、朝は光をしっかり浴びる事が大切です。
遠藤:睡眠治療は鬱の予防にもなります。僕自身が朝から元気な日本にしたいという気持ちがあります。子供たちがこの日本を支えていく事にあると思います。子供の睡眠をしっかりしていく必要があります。明るく元気にしたいです。
頑固な遅寝遅起き病は、ほとんどの日本人が経験していると思います。それを解決できる科学的な方法があることに驚きました。誰でもしっかりとした睡眠をとることができる事が証明されました。睡眠で悩んでいる方は、今回習った事を実行してみてはいかがでしょうか。