国内外の様々な産地から作られた新鮮な野菜が買う事ができます。
これらの野菜のほとんどは、種作りを専門とした企業から作られたものです。
創業当初から世界を舞台に販売され現在ブロッコリーでは国内の7割以上、海外では5~6割。
サカタのタネが国内外様々な農家から支持される理由とは。
その答えが小さな種に詰まっていたのです。
菅原:今、世界の中では種と言うのは、熱いまなざしが向けられているジャンルです。
大きなビッグビジネスの中で日本の企業が上位に食い込んでいることを私たちはあまり知りません。
時代がどのような方向に進んでいるのか基本的な知識を教えていただきます。
株式会社サカタのタネ 代表取締役社長 坂田宏さん
100年もつづく老舗企業を最前線で率いる坂田さんに、世界を驚かせた独自の品種育成法や栽培に適した種子を栽培する地球規模の活動を詳しくお話を伺っていきます。
菅原:日本よりも世界でさらに有名だと思います。その種子ビジネスについてお伺いいたします。
サカタのタネというとその業界では知らない人がいない。私たちもスーパーで買えるものなのですか。
坂田:ホームセンターでは恵袋を販売しています。家庭菜園や野菜花を楽しまれる方が増えていますね。
大正2年創業で、その当時は苗木を販売していました。
菅原:シルバーメダリオン賞を取られましたね。
坂田:100%ダブルの花が咲く品種を開発しました。それまでは50%しかダブルの花が咲くものが、100%のものを開発しました。
菅原:これは遺伝子の組み合わせでそのようになるのですか。
坂田:この図は固定系の品種です。
赤くて甘いトマトを作りたい。しかし、いろいろな性質がバラバラになっています。しかし、赤くて甘いトマトを作りたいとなると、毎年甘いトマトを選びそこから種を取ることで全て赤くて甘いトマトを獲ることができるようになります。
坂田:もうひとつは、F1品種と呼ばれるものです。両親の良い形質を併せ持った品種が獲れる特徴があります。親の形質のいいとこどりの品種になります。
1品種を作るのに10~15年かかります。
菅原:他の企業がまねできない。
坂田:親の組み合わせは何年もかけて築き上げてきたものになります。
1つの商品開発に10年以上と長い年月がかかるため。
目標を決めたブロッコリーにするために日々交配を繰り返すためです。
交配するアイディアは1万を超えます。
こうして生まれたF1ハイブリット種子を生産者や消費者のニーズに合わせて作り上げる事ができるのがサカタのタネの秘密です。
敷地面積は約32ヘクタール。東京ドーム約7個分に相当します。
坂田:温暖化は作物に大きな影響を与えます。
温度が1度でも2度でも育てば大変な貢献となります。
様々な状況を視野に入れています。
環境にも貢献できる種子をつくることもできます。
環境関連は間接的な貢献ができているのではないかと思います。
菅原:たとえば2011年の種と2012年の種だと異なってきますよね。
坂田:おっしゃる通りです。
菅原:世界規模の知的所有権について対策を行っていますよね。
坂田:品種登録が各国あります。アメリカでは植物特許法があります。技術を守ります。種子生産の段階で、対策を組み合わせています。
菅原:コピーをされることはないのですか。
坂田:F1は親がいないと同じものはできない。似たような品種が出てくるのは仕方がない。私たちは次の世代を作ることを考えています。私たちの技術により新たなものを作っていくという事です。
菅原:環境にある悪いものを植物に吸い上げてもらう試みはあるのですか。
坂田:サンパチェンスは太陽が好きでどんどんと育つ品種です。環境浄化植物と呼んでいます。有害物質の吸収能力が高く、水質浄化にも役立ちます。打ち水効果として、水分を吸収して蒸発します。海外で日本の10倍以上の数が売れています。
菅原:種は一見地味ですが、種の中に愛情や知性・科学が込められていますね。
菅原:私たちは普段八百屋に行って野菜を手に取り購入しています。これからの時代は土づくり、野菜が育つ姿は教育的なものだと思います。
育てながら種のことを知り植物のことを理解する事が大きな地球の問題も含め理解する大事なことではないでしょうか。