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第43回 高安 正勝さん

(2013.04.27放送)

これは塩です。
塩の作り方に革命を起こし、これまで以上にミネラル分を多く含んだ塩の製造に成功しました。

ミネラル世界一の塩としてギネスに認定されました。

生命が誕生した環境のミネラルを全部含んだ塩で、生命の本質だと言える塩です。

海の恵みミネラルがもたらす影響とは。

菅原:お塩は、最近非常に注目されています。各家庭にこだわりの塩があるほどです。一流レストランになると料理に合わせて何種類もの塩を使い分けていたりします。塩にこだわらないシェルはいないのではないでしょうか。今日のぬちまーすのお塩の話は、非常に特別なミネラルが大変含まれたお塩です。

高安さんは当初、蘭の栽培・販売を行う事業をしながら生命の誕生について研究をしていました。そこへ塩の製造自由化のニュースが入ります。常日頃海水が命の源と考える高安さんは、このニュースを聞いてすぐに自分の技術を使えばこれまでにない塩が作れると蘭の栽培をやめて塩の製造を開始しました。いくたの困難を乗り越えついにぬちまーすの開発に成功しました。
今日は高安さんに、海の成分とほとんど同じというぬちまーすの秘密や信念を貫いて開発を続けた熱い思いをお聞きします。

菅原:ぬちまーすというのは沖縄の言葉ですか。

高安:ぬち=命、まーす=塩 で命を育む塩という意味を持って付けました。

菅原:ぬちまーすは、塩化ナトリウムの割合が73%になるんですね。多くは90%以上になりますよね。塩分の成分が少ないため残りの27%がミネラル成分で出来上がっているというのは、生命現象を助けるという事ですね。

高安:今までの塩は、海の中から塩化ナトリウムを摂ったが、ぬちまーすは海の中から水を抜いたものを全部摂ったという事になります。

菅原:微量ミネラルは酵素を作る基であるため、酵素成分が作られなかったり、抗酸化成分が作られない事で老化が促進したり、ホルモンが作られないとうつ病になるなどが考えられます。料理に置いても素材の味を引き出すという事で重宝されているのではないでしょうか。

高安:有名料亭の社長に、自分が生きている間にこれ以上の塩は出てこないだろう。素材のおいしさを出す素晴らしい塩だと。言っていただきました。

菅原:これを使えば、肉や魚、野菜の味の奥行きを表現してくれるのではないでしょうか。

高安:ぬちまーすは、本来の味を作る機能を満足させるミネラルが入っています。

沖縄県うるま市

雪が降り積もるようにできます。
世界13カ国で特許を取得した独自の製塩法です。

アイロンを当てる時の蒸気の1/100より小さい霧状に海水をして、それを温風で吹き飛ばします。
すると、空中で水分は気化して海の成分が残ります。
これを常温瞬間空中結晶製塩法といいます。
中身は海のままの成分であり、これを水に溶かすと魚が泳ぐ海の成分になります。

菅原:この設備と言うのは世界ではじめて開発された設備なのでしょうか。

高安:今までの塩の常識とは異なる方法になります。塩化ナトリウムを結晶化させてにがりを抜くという方法でした。しかし、にがりも貴重な成分です。そのため、海の水を細分化して、瞬間的に蒸発させない限り可能になりません。

菅原:蘭の製造をしていた時も科学的な工夫などあったのでしょうか。

高安:小学4年生の時から発明家になると思っていました。そのため工夫するという習慣がついたのです。その習慣があるかないかの違いだと思います。航空会社に勤めた後、蘭の栽培を行いました。気耕栽培装置を作った事で蘭の栽培を行いました。そこで発明した装置を利用して塩の栽培を行いました。一瞬でこのひらめきが起こったのです。そして、塩づくりを始めました。資本がないので、温室を工場に建て替えて片道45分かけて海水を取りに行きました。これは楽しみで、人類を救う塩を作れるため苦労と思ったことは一回もありませんでした。10カ月程度銀行と交渉しましたが当初は貸してくれませんでした。しかし、8年目にして4億5百万円だったら無担保で貸しますと貸してくれました。

菅原:その時は、ぬちまーすは有名だったのですか。

高安:賞ももらっており有名になっていました。これまで友人知人がお金を貸してくれました。私のやっている行動を支持してくれる方がいたので、ここまでやってくることができました。発明した塩が本当に人類を救う塩だったためと考えています。

今後の夢について

高安:生産量をアップしてコストを安くして提供できるように目指しています。

菅原:同じ品質で半額程度になることができれば、世界に進出して多くの有名レストランが使用してくれるでしょう。そして、一般的にも長く使用することができていい循環ができるのではないでしょうか。

高安:栄養的には人類を救う塩ですけど、経済的にはまだ救っていない。コストを安くして経済的にも人類を救う塩にしたいと思います。今までやってきたのは基礎の基礎です。これからは皆さんに使っていただける塩になってもらいたいです。

菅原:大変ユニークな発明家でした。私たち日本人は何をしたらいいかわからないという事があります。発明というのは日常生活の延長上に非常に簡単なものであるという事を改めて教えていただいたと思います。身近なものを使って作ることは本当は誰でもできるが誰でもできないというのに面白さがあり、次の世代の人たちが日本人の技術と発明能力を発揮してほしいと思いました。