菅原:これは、いわゆる石原都知事プロデュースなんですか、それとも、そうじゃないんですか。
筧:どちらかというと、われわれ職員が、自慢の水道水をもっとお客さんに飲んでもらいたいということで始めたのがきっかけです。
菅原:上からではなくて、ボトムアップで頑張られた。
筧:そうですね、どちらかというとそうだと思います。
菅原:それは素晴らしいことですよね。
筧:ありがとうございます。
エコ君:「安全でおいしい水プロジェクト」によって生まれ変わった水道水のお味は果たして? ミネラルウオーターと飲み比べてみるエコ。
菅原:飲んでみますね。おいしいですよね。
筧:そうでしょ。どっちかが市販のミネラルウオーターで、一つは水道水なんです。
菅原:ちょっと私の舌では無理かな、識別は。
筧:いかがですか。
菅原:ほとんど同じ味ですね。どちらもちょっとミネラルの味があって、透明感があって、臭いも無いし。
筧:われわれが飲んでも、味の差はほとんど分からないぐらいです。
菅原:これは、私には区別ができません。どちらが?
筧:実は、こちら、手前の方が水道水なんです。これ、われわれが作ってる、東京水っていう、ボトルに詰めてますが、中身は水道水とまったく同じ物です。
エコ君:これは、東京都の水道水をPRするためにパッケージしたものエコ。多くの人に水道水のおいしさを知ってもらうため、東京マラソンや、水道週間イベントなどで、このペットボトルを無料配布してるんだエコ。
菅原:これ、すごくきれいなボトルなんですけど、私がびっくりしたのは、ミネラルウオーターだと、ここのところに、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウムとかいっぱい書いてありますよね。同じようにデータが入ってて、あれっと思ったんですけど、水道水にはミネラルが入っているものなんですか。
筧:そうですね。基本的には入っています。
菅原:日本中どこでも入っているわけですね。
筧:ええ。どこでも入っています。
菅原:すごい発見ですね。ミネラル成分っていうのはすごく大事なものとか……。日本みたいに急流の山からずっと水が流れてきて、岩の中に含まれるミネラル成分が天然水に入っていると。天然水は入ってるけど、水道水は無いだろうって思っていたんですけど。
筧:そんなことはないですね。
菅原:これはまたすごく発見ですね。だから、東京ウオーター、イコール、ミネラルウオーターなんですよね。
筧:まあ、そうですね。それは、そういっていただいていいと思いますね。
菅原:安全性というと、基準がいっぱいありますよね。日本は塩素が入ってる水を供給してるのが水道水なので、よその国のシステムと比べたら、法律そのものが古いんじゃないかという気がするんですけど、その辺をどうやっておいしくクリアされたんですか。
筧:決して日本の水質基準が古いっていうことではないんですけれども、むしろ日本の水質基準は世界に比べても平均以上、高いと自負しています。水質基準をクリアしつつ、いかに安全でおいしい水を供給するかっていうのが非常に大きなポイントなんですけれども、そのためにはいろんな取り組みをやってます。
菅原:安全っていうのは、残留塩素が今のとこ0.1ミリ以上で……。以上っていうところが……。普通は以下っていうんなら分かるんだけど、以上っていうでしょ。殺菌をするのに塩素を使ってますよっていう意味ですよね。
筧:はい、そうです。東京都の場合は、さらに厳しくそれを0.4以下に抑えようっていうことでやっています、なかなかそこに抑えるって難しいんですけど。今までは浄水場で塩素を入れてただけなんですけど、もっときめ細かく、いろんな所で塩素をきめ細かく入れるということで、なるべくお客さんの所に届くときにも、比較的薄い塩素濃度で行くように工夫はしてます。
エコ君:ここで、エコのワン・ポイント・スタディー。残留塩素は時間がたつと蒸発するため、浄水場から離れた地域でも適切な濃度が保てるように、塩素を多く入れていたんだエコ。そこで、水道水を各地域へ送る拠点である給水所に、塩素を追加注入できる設備を増やすことで、浄水場で入れる塩素が少なくなって、距離に関係なく、残留塩素の濃度が低い、おいしい水道水ができたんだエコ。
筧:おいしい水を作るっていうことで一番力を入れてるのは、高度浄水処理ですね。
菅原:高度浄水処理? これは初耳なんですけど、そのシステムっていうのは、どんなふうなものなんですか。
筧:こちらが高度浄水処理システムなんですけど。今までの、通常の浄水処理システムっていうのは、こちらで見ていただける、川の水を、原水を取り入れて、凝集沈殿させて、その水を、こちらですね、砂ろ過をして、それでお客さんのとこに配るというシステムが普通だったんです。
菅原:これ、凝集沈殿の所は、不純物を何かで、ケミカルな物で凝集して、沈殿して、上澄みはきれいだよと。そこに塩素を加えていたわけですか。
筧:はい。その水を砂ろ過した後に、ここで塩素を入れて、それで、お客さまにお届けしていると。
菅原:これはいつころまでのシステムですか。
筧:高度浄水システムを初めて導入したのが平成4年ですので、それまでは基本的にこういうシステムでやっておりました。オゾン処理と、生物活性炭吸着処理というものをこの中間に入れまして、これでおいしい水を作っていこうっていう取り組みなんです。
菅原:まずオゾンで殺菌すれば、かなりの雑菌とか、かびは死にますよね。
筧:そうですね。
菅原:それをオゾン接触の、池みたいな感じなんですか?
筧:そうです。要するに、ここから沈殿した上澄みの水が、こっから入ってきまして、オゾンの強力な酸化作用で、水の中にある臭いのもととなる原因物質っていうんですかね……。
菅原:それを分解しちゃうわけですね。
筧:それを分解するわけです。さらに、それをこちらの生物活性炭吸着処理ですね。炭の中に住んでる微生物が、臭いのもととなる物質を分解して、さらにそれをこの活性炭で吸着するということです。
菅原:これは、どっちかっていうと、分解したり、食べたり、いろいろですよね。餌だと思ったら食べちゃいますね。
筧:まあ、そういうことですね。