菅原:医療費がすごく高騰化してる理由は、重症のがんの手術とか、予後とかで、非常に医療費を食っていく。それが医療保険を崩壊させるかなりの部分になってるから、国家として厚生労働省が健康保険の中に、開業医の人とどっかの検査センターが両方連携して検診をしたら、両方にポイントをあげるというふうにすればいいんですよね。
中川:そうなんです。私もまったく同じこと考えてまして、この部屋で鳥かごがあって、そこに小鳥が居るのが早期がん。これ、すぐ捕まえられる。しかし、転移した場合っていうのは、窓から鳥が出てってしまう感じです。なかなか捕まえにくい。もちろん例外はあるんですよ、また元の所に戻ってこないといえないわけですから。しかし、それは非常に期待できない。しかし、そうはいっても、やはり治療をする。延命をする。それによって経済的にも、それから、副作用的にも。それだったら早期に見つけて。検診ってほとんどただですね、東京都でしたら。高くても1,000円、2,000円。それで本当に死なないってことができますから、これもやらなきゃもったいない。これ損得の問題。
エコ君:この映像はリンパ球ががん細胞を攻撃している映像エコ。人は1日におよそ5,000個のがん細胞ができて、このようにリンパ球が殺してくれているんだエコ。みんな、知ってたエコ? そして、日本人の2人に1人ががんになって、3人に1人ががんで死んでいるらしいエコ。そんな日本は世界一のがん大国なんだって。これからはその治療についての話エコ。
中川:がんの治療として科学的に有効性がはっきりしてる。これは手術、放射線、抗がん剤、この3つですね。そして、その3つの中で、がんを完治させられるものってのは、手術か放射線なんです。抗がん剤だけで形のあるがん、白血病は抗がん剤だけで治りますが、形のある、胃がんとか、肺がんとか、普通のがん、これについては手術か放射線がいるんです。ですから、この手術と放射線ってのが、簡単にいうと、がん治療のメインプレーヤーであって、ライバルなんですよね。
菅原:手術をするか、放射線治療を取るか、どちらかを選べばいいということになるんですか。
中川:そんな感じなんです。
菅原:でも、今のところは選ぶっていうチョイスはなくて、ほとんどのケースは手術じゃないんですか。
中川:日本の場合には手術が非常に好まれる。がん治療っていうと手術っていうことなんですね、基本的に。
菅原:それは常識じゃないんですか。
中川:常識じゃない。
菅原:私自身の頭の中でも、がんイコール手術、その次、抗がん剤、良くなれる人はなるし、ならない人はそのまま抗がん剤どんどん強くしてって、最後はもう使えるのがなくなって、家帰んなさいっていわれるのが、大体普通のストーリーかなと思ってたんですけど。
中川:現実にそういうことが多いんですね。ただ、例えば日本では、がん患者さんのうち4人に1人、25パーセントしか放射線治療やらないんです。アメリカは何パーセントだと思われます?
菅原:50パーセントぐらいですか。
中川:66パーセントです。
菅原:すごいですね。
中川:3人に2人。
菅原:ということは、手術は何時間にもわたって、お医者さん自身がトイレも行かないでずっとかかりきりですから、効率からいったら放射線のほうが大勢の人を。
中川:安いですし。
菅原:ケアできますよね。これって手術の主流派が今、日本のがん学会のメジャーだとすると、放射線で手術の代わりができるなんていったら物議を醸すぐらい、手術派の人は、何をいってんだって怒り出したりしないんですか。
中川:します。私も怒られてますよ、余計なことをいわないほうがいいですよって。
菅原:そのくらい、放射線は黙っておれみたいな、そういうムードがあるんでしょう?
中川:あります。