トップ > 長谷川久夫 さん(2010年3月14日・3月28日放送)

第06回 長谷川久夫さん4

(2010.3.14,3.28放送)

エコ君:というように、長谷川さんはみずほの村市場を立ち上げたんだけど、一筋縄ではいかなかったみたいエコ。立ち上げ当初、長谷川さんは、周囲から、「無理だ、そんなことできるわけない」と反対、批判の声を浴びせられたエコ。それでも資金集めや他店のリサーチなど、たくさんの苦労を重ね、回転するも集まった農家はたったの8人。苦しい状況でも、長谷川さんはそれを苦とは思わなかったエコ。それは、農家が値段を決め、販売できるお店をつくるという夢があったからなんだエコ。苦労を物ともせず、自分で決めた新年を貫き通した上、農業者も増えて現在にまで至ったんだエコ。やっぱり新しいことをやるのは大変なんだエコ。

菅原:長谷川さんが考えてらしたのは、自分が、原価計算をする頭を持ちなさいことですよね。その原価計算の仕方を教えてあげたんですか。

長谷川:いや、これは、農家自身は実際は分かってるわけですよ。ただ、それを記録するとか、データとして残すとかいうことをしないだけであって、現実的にはね。ただ、それをきちっと記録されてないために、実際、売るときになったら忘れてるというだけであって、だから、そういう記録する大切さ、これをね、やってけば、必ず原価計算ってのは出てきますよね。

菅原:そういう意味では、今まではいっぱいかかっても、お金が出ればいいやみたいな感じで、農協もお金貸してくれるしみたいな感じで適当にお金を借りてるから、儲かってるのか、赤字なのか、そこらへんもよく分からないままずっといるような状態が普通だったですよね。

長谷川:そうですね。俗に言うどんぶり勘定ってやつね。何年かたってみてね、初めて、「ああ、利益になってなかったんだ」と。単年度の決算はしてないというのが農家の現状だと思います。

菅原:どのぐらいいらしてるんですかね、お客さまって。

長谷川:トータルすれば、年間に26~27万でしょうね。レジを通過していただく方。みずほは消費者の会員制度をとってますから、その会員が、1年会員ですけど、1年会員ですけど、今、1万2,500~1万3,000人前後だと。

菅原:今、そうすると、平均的には農家の48件のだいたい、年間の売上っていうの分かるんですか。

長谷川:そうですね、だいたい800万前後になってると思いますよ、一人頭ね。

菅原:それじゃあ、やっぱり2~3年前より上がってんですか。

長谷川:上がってますね、はいはい。

菅原:すると、お客さんがいっぱい集まってくれたら、あと、もうちょっと土地借りて、さらに拡張したいなと思ってる人も多いんですか。

長谷川:規模拡大論が日本の農業の間違いですから。

菅原:規模拡大ね。

長谷川:うん、規模拡大の。規模拡大してコストを下げるということは不可能ですから。確かに、規模拡大すれば、要するに、量はとれますよ。だけど、品質が下がりますよね。農業者がきちっと、作物が育ちやすい環境をつくれる範囲はおのずと決まるわけですから。作業効率を上げてくことが、機械化でいくらでもできますよ。だけど、品質を上げてくことは、これは作業の効率と品質の向上はまった相反するものだ。

菅原:要するに、いいものをつくろうとすると作業が増えるっていうことですか。

長谷川:そうですね、ある程度の作業は増えてくるということでしょ。