トップ > 長谷川久夫 さん(2010年3月14日・3月28日放送)

第06回 長谷川久夫さん5

(2010.3.14,3.28放送)

エコ君:突然ですが、エコの素朴な質問コーナー、長谷川さんにエコの質問に答えてもらうエコ。長谷川さん、長谷川さん、準備はいいエコ。

長谷川:あんまり難しい質問すんなよ(笑)

エコ君:分かったエコ。じゃあ、最初の質問。長谷川さんのお店に、変わったクレームがくるって聞いたけど、一体どんなクレームが来たんだエコ?

長谷川:いろいろな角度から来るよね。一番、残念なクレームは、「オクラのとげでけがしたからどうしてくれんだ」というようなクレームまできますよね。だから、これが、そういうクレームを出す、あるいは受けるということは、農業の現場と、食べる現場の距離が離れすぎてんだから、豆に買いにきてお互いが近寄ってくださいということをいいますね。

エコ君:そんなときはどういう対応をするんだエコ?

長谷川:いや、とことん話し合いましたよ。ただ、行きつくところは、「最初に慰めの言葉をかけてください」っていうんだよ。だから、それは、店側に求めるんじゃなくて、旦那さんにでも求めなさいと。

エコ君:次の質問。農業経験がないエコもみずほに入れるエコ?

長谷川:まあ、入れますよ。だから、今、今までもね、あのー、農業を全然やってない方が、みずほで農業研修ということで、その人の気量に応じて、2年なり3年なり、みずほで農産物の管理を覚えて、みずほで販売してる農家は現在4人いますよ。だから、エコ君だってくれば、ぜんぜんできなければ自分で努力しながら学んで、ステージがあるわけですから、そのステージへ上がってちょうだい。

エコ君:長谷川さん、長谷川さん、もしものときは、エコにやさしく農業を教えてほしいエコ。

長谷川:可能性にかけることを、今まで2000年間くらい続いた農業そのものが。

菅原:それはもったいないですね、ビジネスチャンスなのにね。

長谷川:ものっていうのは値段を下げて、売れば売れるという錯覚の事実なんだよ。

菅原:これからのお仕事は、何を重点的に頑張って行けば、消費者と生産者の間の、最大限の幸せをアップできるかっていうのはなんでしょうね。

長谷川:今、社会全体が、与えられる文化に馴染んでるでしょ。そうじゃなくて、やはり、想像する文化、そういう方向に行かないと、これは消費者も農業者も幸せになれないと。簡単にいえば、きゅうりだって、ジャガイモだってニンジンだって、他の動物も食べますよね。ネズミだってウサギだって。ただ、人間もそれ食べますよね。ただ、人間の違うのはそこで調理することでしょ。その、ものをつくるという喜びをどう与えていくか。食材として農産物をどう活用してもらえっか、これが一番のキーワードになるような気がしますね。

菅原:やっぱり、今、消費者も育ってきてるし、おいしいものを食べたい人も増えてるし、もちろん、本物の味が1回分かっちゃっら、後戻りできないでしょ。もうまずいもの嫌だっていう感じになるから。消費者の教育って意外と、こういうところから早いような気がするんだけど。それを全国に広げるってことになると、またもう1つ、行政とか、新たなサポートシステムがないと、なかなか難しいかもしれないですね。

長谷川:そうですね、そういうサポートの仕組みも必要でしょうよね。それと、やはり、一番、そういう影響力を与えられるのはこういうメディア関係でしょ。このメディア関係が、きちっと目的をつたえていただければ、これは理解されるのは早いと思いますね。

菅原:今、全国の農協からも見学者が絶えないし、いろんなところから見学来てますよね。その人たちが、実際、「あっこれはすばらしい」と、「自分もやってみようかな」って具体的に思う人っていうのは、手を上げて、このシステムにいこうっていう人はいっぱいいますか。

長谷川:なかなか、今まで、農家が自分で販売価格決定権を持ってないために、それが理想論だと。現実的に、できてるわけですよ。できてるんだけど、理想論だというかたちで片づける人も多いですよね。

菅原:それはもったいないですね、ビジネスチャンスなのにね、逆にいうと。

長谷川:だから、可能性にかけることを、今までこれ、2000年間くらい続いた農業そのものが、そういう状態であるためにね。新たな一歩を踏み出せる。理論的にはわかるんだけど、なかなか踏み出せない。そこに、「大変だ」という言葉で逃げる。要するに、やるんじゃなくて、できない理論を並べるということ、やりたくない理論。

菅原:これは、1戸あたりの農家が、普通で430万ぐらいですよね。それがもうすでに2倍になってるわけだから。農業者にとっては、やっぱり、そこまでは最低いけるというね。最低でも800万がいくんだという夢があるわけだから。あとはステージづくりの側が、第二の長谷川さんが出てくればいいわけで。でも、それはもうマスターがいるんだから、その、セカンドの人はやり方を教われば、かなりの高率で成功しますからね。だから、ぜひこれを。

長谷川:自分は成功すると思いますよ。ただ、みんな、今までそういうことをやらなかったから、物ってのは値段を下げて売れば売れるという錯覚の事実なんだよ。それが、農産物と工業製品の違い。これを忘れてるんだよ。農産物ってのはみんな命のあるものだよ。命のあるものは価値観で価格が付くべきであって、量とか、大きさで価格を付けるもんじゃない。

菅原:でも、ここに1つのすごいサンプルがあるから、絶対5年のうちには、100人の長谷川式が全国に広がってると私は信じてますけど。

長谷川:ありがとうございます。

菅原:ほんとにありがとうございました。