トップ > 大和田哲男さん(2009年10月11日・10月25日放送)

第1回 大和田哲男さん4

2009.10.11,10.25放送

エコ君:突然ですが、エコの素朴な質問コーナー。大和田さんにエコの質問に答えてもらうエコ。100年後、冷凍技術はどこまで進歩しているエコ? 教えてほしいエコ。

大和田:100年後っていいますと、多分凍らせない温度帯の中で、植物だとか人間が生きていけるというような中の技術に多分100年後はなってるだろうと思うんです。ですから、凍らせてカチンカチンにするという時代はないでしょうが、凍らせない技術としてのマイナスの20度、30度の世界は出てくると思ってます。

菅原:過冷却状態のゾーンを広げていくっていうことですね。そうなると臓器移植なんかも簡単になるし、医学の方ではすごいこれが利用されるでしょうね。

大和田:そうですね。既にそこに進んでおります。

菅原:本当に医学が、そうやって自分の細胞をどっかに、冷凍庫のどっかに番号を振ってしまっといてもらって、それによって、自分がちょっとけがしたりとか病気になったときに、それをチョッチョって利用して、再生医療が値段も安かったら大変うれしいですよね。

大和田:今、先生のお話の世界は、10年、15年ぐらいでなりそうな環境です。

エコ君:そんな未来が待っているなんて、何だか安心エコ。もう一つ質問があるエコ。ねえねえ大和田さん、人間を冷凍保存して未来に行けるエコ?

エコ君:大和田さんに質問エコ。人間を冷凍保存して未来に行けるエコ?

大和田:今、私どもは医学の臓器保存、組織再生医療では、間違いなく成功の道に入ってます。人間が生きてる状態でっていうことになりますと、多分過冷却でマイナスの30度、40度の中で眠らしておいて、100年後に生きるっていうことはあり得るかもしれないです。

菅原:例えば難病・奇病で、今の、現代の治療方法では治療法がないけども、未来行っちゃったらきっと治す技術があるだろうっていう人を過冷却で寝ててもらって、お金はかかるけれども、どうぞ未来に行って、それで治って、そこで生き始めてくださいよ」っていうことは可能なんですね。

大和田:私の夢は、多分あるだろうと思ってます。

菅原:そうですか。何かいいのか悪いのかね。

大和田:ええ。ただ、100年後に生き返って、本当に幸せかどうかっていうのは。

菅原:それはね、欲が深過ぎますよね。

 

大和田哲男

1944年生まれ。菓子製造装置メーカー、食品メーカーを経て1966年6月、菓子製造機械を製造する株式会社大和田製作所に入社。1975年に「生クリーム凍結機」を開発。1989年2月、アビーインダストリー株式会社(1998年株式会社アビーに社名変更)を設立し、CASの開発を推進。2001年に最初の実用システムが完成して以降、その研究には世界中から注目が集まっている。2008年7月号の米経済誌『フォーブス』では、「ミスター・フリーズ」と題し、1920年代にアメリカで急速凍結が登場して以来の画期的な新技術としてCASが紹介された。