トップ > 小川 意房さん(2010年3月14日・3月28日放送)

第14回 小川 意房さん2

(2010.6.13,6.27放送)

ーーきょうのゲストは、介護用品の開発・販売をしている、小川意房さん。小川さんは、高反発マットレス、ハッピーそよかぜを、大学や医療機関、介護現場と協力して開発し、学会で高い評価を得ました。そんなハッピーそよかぜは、ある病気を予防・改善することで、一躍有名になりました。その病気が、床ずれ。床ずれとは、寝たきりの人などに多く見られる病気です。人間が横になった際、他より重いお尻や腰の部分に体圧が加わります。この状態が長く続くと、その部分の血行が悪くなり、皮膚やその下の組織まで壊れてしまいます。これが床ずれです。

ーー高反発マットレス、ハッピーそよかぜの特徴は、このヘチマ状のポリエステル。これが強い弾力性を持っているので、体重を均一に分散し、マットにお尻や腰が沈みません。これによって、寝返りがうちやすくなり、血液の流れも悪くならず、床ずれ防止・改善に大きな効果を発揮するのです。これは体圧分散測定器で測った、通常ウレタンマットレスの体圧分布図です。体圧がかかっている部分が色で表示され、圧力が大きいほど、赤く表示されています。ご覧のとおり、腰や太ももの部分に大きな体圧がかかっていることが分かります。一方、ハッピーそよかぜの体圧分布図では、赤い色の部分がほとんど見られません。比べてみると、その差は一目瞭然です。小川さんは、このような体圧分散の研究を繰り返す中で、高反発がもたらす、さらなる大きな役割を発見しました。

菅原:ここにすでに用意されてますけれども、これが高反発ですよね。

小川:はい。

菅原:こちらが低反発ですか。

小川:はい。

菅原:見た目では、今はやりはこっちかなみたいな気がするんですけど、これって、テレビの通販番組なんかで、よく見たりすることもあるんですけど、これとこれの一番大きな違いっていうのは、どこにあるんですか。

小川:どういう反応を示すかといいますと、これ、硬球なんですけれど、こういうふうに落としても跳ねない。なおかつ、押さえると、グーッとこういうふうに沈んでいきます。高反発は、こういうふうにトーンと跳ねちゃいます。非常に反発力がありますね。まさに低反発ですと、ダンベルそのものがとても動きづらい。高反発ですと、ご覧のように、ちょっと手を加えるだけで、いくらでも動いてくれる。特に体の不自由な人にとっては、寝返りっていうのがとても大変です。こういう高反発の適宜な反発性を持ってお休みになると、非常に健康に寄与すると、こういうことですね。

ーー寝返りが快適な睡眠とどのように関係しているのか。人間工学の分野で眠りの研究をしている、広島大学名誉教授、長町先生に話を聞きました。 長町 睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠があります。最初寝ると、ノンレム睡眠でずっと眠りに入ります。それから、一時ちょっと起きます。これがレムですね。このときに寝返りするんですね。

ーー睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠があります。レム睡眠とは、体を動かしたり、夢を見る睡眠のことで、いわゆる浅い眠りのことを指します。一方、ノンレム睡眠とは、夢を見ない深い眠りのこと。睡眠中は、このグラフにあるように、レム睡眠とノンレム睡眠をワンセットとして、それがおよそ90分周期で繰り返されます。そんなレム睡眠とノンレム睡眠、実は理想的な周期の回数があるそうです。 長町 レム睡眠でずっと眠りに入ります。それから、一時ちょっと起きます。これがレムですね。このときに寝返りするんですね。目も動かしたり、寝言もいったりして、それから、またグーッと普通の睡眠、深い睡眠に入ります。ノンレム睡眠ですね。また、レム睡眠に入ります。大体これが5回起こってくるはずですね。そのたびに寝返りをしてるというのが一番いい睡眠なんですね。そうすると、睡眠をちゃんととれるし、血流が流れてますから、体も非常にフレッシュになってる。いわゆる高反発、そういうマットレスが一番。