ーー日本中が議論に沸いているTPP問題。このTPP参加によって、海外から価格の安い農作物が流入すると日本の農業が潰れてしまう。
ーーそんな懸念の声が全国の農家から上がっています。
ーーしかし、TPP問題のずっと前から国際競争化時代を見据え、ITで農業革命を実践している男がいました。松本農園取締役、松本武さん。
松本:日本の農業っていうのは、経営の意識っていうのは非常に今まで低過ぎた。われわれは、そこをITを使うことによって、大規模化、企業化していくっていう方向にかじを切ってると。
ーー松本農園では独自の管理システムにより、農作物の収穫時期や、農薬の種類や量など、生産過程のあらゆる情報を蓄積しています。
ーーさらに、その蓄積された情報は、野菜を詰めた袋に記載してあるこの13桁の数字を使って、誰もが簡単に見ることができるのです。
ーー今回は、ITを徹底的に活用して、他の農家との差別化に成功している、日本の農業の新たなかたちについて迫ります。
菅原:今までの農業者は、いわれるままに借金をして、やめるときには巨大な借金で首が回らなくなってる人が非常に多いんですね。そういうふうな現実の中、有限会社松本農園は一生懸命大きな会社に成長しつつあります。非常に未来を見つめながら、農業というものを経営として捉え、そしてITを駆使し、自分たちの作ったものはいったいどんなものだったかということが、一般大衆の人がきちっとそれを全部チェックできるシステム、こういうものを開発している松本さんっていうのはすごい人だと思います。どんな話が聞けるのか、きょうはとっても楽しみです。
ーーきょうのゲストは、松本農園取締役、松本武さん。
ーー松本さんは、大学卒業後、旭化成の医薬事業部でおよそ6年間、病院向けの薬の営業を担当していました。
ーーその後、父親から農園の営業を頼まれ、熊本県で露地野菜を生産している実家の松本農園に転職。
ーーそして、企業で務めていた経験をいかし、独自の生産情報管理システムを開発。現在、6年連続の経営黒字を達成しています。
ーー今回は、ITで農業革命を実践している松本さんのさまざまな経営努力を詳しく伺っていきます。