地雷。それは、1日あたり、およそ80人もの死傷者を生み出し、今でも世界中に1億個以上も散らばっている悪魔の兵器。そして、この地雷が何より憎いのは、戦争が終わった後も、じっと土の中に埋まり、ある日突然、その地に暮らしている人々を無作為に襲うことです。
また、地雷処理中の事故も絶えず、死傷者は年間20人以上に上ります。この地雷処理の現場を劇的に変えた日本人が居ました。
山梨日立建機社長、雨宮清さん。建設機械の会社を営む彼は、地雷に対する知識がなかったのにも関わらず、油圧ショベルを改良し、独自で地雷処理機の開発に挑んだのです。
もの作りを通して、日本の魂を世界に届ける、その思いとは。地雷原を畑に変える、驚きの技術とは。
今回は、世界中の子どもたちが笑顔でいられる世界の実現を目指し、地雷の根絶に向け、戦っている雨宮さんの活動と、その開発秘話について迫ります。
菅原:地雷というのは、世界中にばらまかれ、いまだに1億近くが埋まっていて、それを取り除くための、そうした機械というのは、雨宮さんをはじめ、世界で幾つかの会社が頑張ってますが、日本人魂としての雨宮さんの技術というのは、ただ、ドカーンと地雷を爆発させるっていうところにとどまらない技術、つまりは、そこからさらに幸せな笑顔を皆さんに取り戻すための、農地の回復まで視野に入れた、素晴らしいものだそうです。きょうは、そうした話を具体的にたくさん伺いたいと思っております。
きょうのゲストは、山梨日立建機社長、雨宮清さん。雨宮さんは、15歳から建設機械の修理工となり、23歳で独立、建設機械を販売する会社を立ち上げました。
それから40年以上にわたり、油圧ショベルを代表とする建設機械を扱ってきたプロフェッショナルです。
雨宮さんが地雷と関わり始めたのは、1994年に、機械の売り込みのため、カンボジアを訪れたときのことでした。そこで、地雷の被害に遭った人々の悲惨な現実を目の当たりにし、地雷除去の機械を独自で開発したのです。
きょうは、そんな雨宮さんに、地雷を除去し、生活の場を取り戻しているという方法について、詳しく伺っていきます。
菅原:ここにあるのが、地雷除去で実際に掘り起こしたものですか、それとも中身を覗いた……。
雨宮:これは中身も入った状況で、実際の地雷なんですね。
菅原:入ってるんですか。
雨宮:これは、火薬も入ってますね。これ実際にカンボジア政府からいただいたものなんですけど。
菅原:でも危なくないですか、中身入ってて。
雨宮:危なくないと思う。信管が、抜いてますから爆発しません。こういう地雷が200種類とか300種類ぐらいあるといわれてますね、世界各国。
菅原:この地雷っていうのは、原価安いんですよね。
雨宮:そうですね。300円、これが150円くらいですかね。非常に安くて効果がある武器といわれてますよね。