さらなる問題点を探るために、我々が次に訪れたのは東京都中央区にある財団法人 日本対がん協会。
ここには、がん相談ホットラインという無料電話窓口がある。3年以上の臨床経験がある看護師や社会福祉士が一定の講習を受け、患者やその家族から匿名で相談を受けている。相談件数は年間1万件以上1日平均30件にのぼるという。
匿名で受け付ける電話には、がん患者のさまざまな相談が寄せられる。特に最近増えているのは、不安などの心の問題だという。それはどんな内容なのか。
詳しく話を聞くためにがん相談ホットライン創設当時から電話相談を受ける相談員に話を聞いた。
相談員:「孤独」という言葉を使う患者さんが非常に多くいらっしゃいます。周りに家族や支えてくれる人がたくさんいても実際に病気になってみないと分からない「孤独感」みたいな物は話の中でよく皆さんおっしゃいます。話を出来るが場所がほしいのではと一番強く感じます。
相談員:未だに就職する時とか復職をする時とかそんな時でも「がんの事を隠した方が良いですよね」と話す方がいらっしゃるので、例えば他の病気と同じように「がんで治療してます」って言うことをオープンに言えるような自然にがん患者さんが生活し、その周りにいる方も自然とそのがん患者さんを受け入れていけるようなそんな社会になると良いのではないでしょうか。
ーー孤独を訴えるがん患者。自らがんを隠さなければという思い。彼女らに寄せられる相談は切実である。