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「がんとの向き合い方」

(2010.9.19放送)

そして、菅原はそんな悩みを解決しようと活動している人物を訪ねた。彼女は、憩いの森という患者会の副代表、井崎幸子さん。

憩いの森とは、関西を中心に活動する患者達が主体の患者会。この日は、医師たちが中心となり、がん患者達の相談を受け、情報を提供するweb上の窓口e-クリニックとの共同セミナーが行われていた。

そんな患者会を立ち上げた一員の彼女は、ガンを克服したがんサバイバー。

6人家族の主婦として家事と経理事務をこなしていた彼女は40歳で卵巣がんに。手術でリンパ節、両側の卵巣、子宮を切除し、抗がん剤の投与を3クール受けた。

現在、彼女は児童厚生施設の職印として子供たちの面倒を観る傍ら、自らの経験を役立てるために、昨年仲間と立ち上げた憩いの森で活動している。そんな彼女は菅原にこんな思いを語った。

井崎:同じ体験をした先輩に会いたい。がん患者は、孤独になります。体験した者でないとわからない、たとえ家族であっても分からないことがたくさんあります。ところが、患者同士で集まりますと、まるで家族のようになんでもお話しできちゃうんですね。すごくエネルギーが湧きます。

ーーそんなこの言葉通り、この患者会では、がん患者同士の交流を大切にしている。

部位ごとにグループを分けて、患者同士が直接、情報交換ができる話し合いの場では、がんを克服したサバイバー、がん患者達が相談や意見交換をする。

思わず涙する人も少なくない。ここでは様々な情報交換以外にも医師や家族にも言えなかった、がん患者どうしだからこそ言える本音の話し合いがあった。

昨年から憩いの森で活動してきた井崎さん、そんな彼女が抱える悩みとは。

井崎:とにかく、がん患者同士が集まれる場所がなくて困っているんです。敷居が高くなくて、癌の患者さんの窓口のような、いつでも来て頂けるようなという想いもあり、どっかに拠点を借りて患者会をたちあげたいと思ってます。

ーー全国に広がりつつあるがん患者同士のコミュニティ。しかし、その施設やそれに対する支援は十分とはいえない。いつでも患者同士が集まり、いつでも話を聞け、いつでも開いてる場所が欲しい。それが彼女の願いだ。